常に二者択一を迫られる、ストレスだらけの日常。せめて大好きな「散歩」くらいは、途中で立ち止まり、振り返り、あえて小さな路地に迷いこみながら闊歩したい。 ゆっくりと自分の目線で眺めながら歩いてこそ、見えてくる何かがあるはず?!

2010年5月6日木曜日

◆美しく歩くことが腰痛防止の第一歩

 とりとめのないことばかり書き綴っているこのブログですが、今回は、腰痛でお悩みの方に、ぜひ試してほしい「ナンバ歩き」風の歩行について紹介します。

 実は私は18歳で椎間板ヘルニアを患い、1年間の物理療法の後に、切除手術を受けた経験があります。原因は身体がギャオス並みに硬い(怪獣ギャオスは背骨が2本あるのがウィークポイント:笑)にもかかわらず、運動で無理をしたため。幸いにもその後、再発することはありませんが、若くして腰に“爆弾”を抱え、軽い神経痛や原因のわからない腰の重さ、痛みにしばしば襲われました。

 9年ほど前にも、左の股関節に力の抜けるような痛みが生じ、整形外科で検査してもらいました。しかし、予想通りにその原因は不明(幼少時にできた骨腫瘍の跡は見つかったが)。腰痛持ちの方ならわかると思いますが、病院にいってもほとんどの場合、根本的な原因はわからず、シップなどの対処療法や、腰痛体操の指導を受けるだけというのが現状です。

 この股関節痛で運動もできず、長く続けていたスポーツジムも退会してしまいました。でも、「これではいけない!」と思い立ち、せめて歩く運動で健康維持を目指そうと考えたのです。当時はちょうど古武術がちょっとしたブームになりはじめたころで、ナンバ歩きもその1つとして、雑誌やテレビでちらほら紹介されていたと思います。

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 Googleなどで「ナンバ歩き」と検索してもらえば、その概要はすぐにわかると思いますが、私なりに解釈し、試してみた結果、習得のポイントは以下の2つだけです。
①できるだけ歩幅を広くする
②背骨の軸を意識する

 「右手・右足を同時に出して歩く」という、ぎこちない動きを指してナンバと解説する向きもありますが、おそらくそれは間違いです。身体をひねらずに歩くと、足―腰―肩のラインは同じ方向に動くわけで、腕は力を抜いていればその反動で逆向きに振れるはずです。だから、「ナンバ歩き=不恰好な動き」というわけではありません。

 一般的な歩き方は、手を振ることで動きのバランスをとります。腰と肩のラインは固定されているわけですから。しかし、ナンバ歩きは肩の動きでバランスをとるという解釈が妥当です。「肩で風を切って歩く」という表現も、そんな描写から生まれたのでしょう。

 最初は、できるだけ歩幅を広くとって歩いてみます。特に下り坂でやってみると、自然と腰―肩のラインが足の動きとシンクロし、同じ方向に振れるはずです。そして、背骨に1本の軸を意識しながら、身体全体を少し回転運動(ローリング)させればOK。わざとらしく極端に動かす必要はありません。

 もちろん、私は古武術の専門家ではなく、「いい加減なことを言うな」とお叱りを受けるかもしれません。しかし、実体験としてこの「ナンバ歩き」風の歩行を始めてから、劇的に腰痛が治まりました。先の股関節痛もいまのところ影を潜めていますし、朝起きたときの腰が固まったような重さや、鈍い痛みもすっかり解消しました。

 また、常に「ナンバ歩き」風の歩行をする必要はありません。散歩などの途中でギアを切り替え、普通の歩き方と使い分ければいいのです。私の場合は、主に坂で「ナンバ歩き」風に切り替えます。特に、上り坂では両足に力が入ってラクです。歩き方(身体の動かし方)を意識的に変えることで、違う筋肉や筋を使うのが腰に良いのかもしれませんね。

 そして、我流解釈にもう1つ付け加えるなら、「美しく歩く」というポイントも重要だと思います。例えば、競馬場のパドックでゆっくり歩行する馬のお尻の筋肉をイメージしながら、背筋を伸ばしてお尻(腰)で歩む感覚を意識するのも良いでしょう。

 いずれにしても「ナンバ歩き」風の歩行は背骨の軸が命ですから、歩く姿勢が悪いと成立しません。私は決してナルシストではありませんが、ショーウィンドウに映る自分の歩き姿を、散歩中にときどきチェックしながら、堂々と胸を張って、美しく歩くことを心がけています。

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